FXについて色々教えているお客様から、時々「MT4に繋がっていないようだ」と連絡があるのだが、残念ながらその情報だけでは私も適切な対応を答えることができない。原因の切り分け方法を紹介するので「何が原因で繋がらないのか」まで突き止めていただければと思う。「MT4のログオンパスワードを変更していない」「前回使用時には繋がっていた」ことを前提にしているので、その点ご理解いただきたい。
1.パソコンがネットに繋がっていない!?
MT4の右下に「回線不通」と表示されている・・・と連絡を受けて一番多いのがこのパターン。
ネット接続を有線から無線、無線から有線に切り替えてみる
例えば自宅のネット環境を使っていて、無線LANでは繋がらなかったが、有線では繋がったとなれば、パソコンの無線子機故障、もしくは無線親機(アクセスポイント)のエラーの可能性があるが、無線子機や無線アクセスポイントの電源を切って再度電源を入れることで復帰することもある。逆に無線LANでは繋がって有線だとダメだという場合はLANケーブルやパブ等に問題がある可能性。両方ダメという場合は次の方法へ。
他のネットワークでの接続を試してみる
スマホ等でテザリングが使える場合は、そちらのネットワークに切り替えてみる。テザリングのやり方がよくわからない場合はスマホ版のMT4で接続できるか試してみる(スマホはモバイルネットワークか他のWi-Fiネットワークを使うこと)。テザリングで繋がった場合はネットワーク環境に問題がある可能性。ルーターやハブ等の電源を一度切ってから、再度電源を入れることで復帰することがある。
2.ログオン情報が失われている!?
たまにあるのが、MT4バージョンアップの案内が出てアップデートを行ったら、MT4再起動時にログイン情報を失ってしまうというもの。
再ログオンしてみる
ログオン情報で以前入力したパスワードが消えている場合は、もう一度ログオンしてみる。パスワードは入力時伏字になり、何を入力しているのかわからないので、メモ帳等に入力したものをコピペする。この時、最後の改行を一緒にコピーしてしまわないように気を付けること。改行を使わなければ済む話ではあるが…。こうすることで「正しい情報がそもそも入力できていない」ということを防ぐ。
3.取引サーバーに繋がっていない!?
稀なケースではMT4起動時に自動で取引サーバーに繋がらないことがある。
「デモ口座の申請」画面で「スキャン」をクリックしてみる
画像はMT4のメニューから「ファイル」「デモ口座の申請」の順で選択して表示される画面。各証券会社の取引サーバーが並んでいる。一番右のPingの値が「n/a」になっていれば取引サーバーと繋がっていないということ(画像赤枠内)。この画面を開いた時に「n/a」となっていても「スキャン」をクリックすることでPingの数字が表示されることも。数字が表示されれば、とりあえず取引サーバーとは繋がっているということになる。スキャンしてもn/aのままであれば、そもそもその取引サーバーが機能していない、もしくは取引サーバーの通信を遮断されている可能性がある。詳しくは後述。
証券会社からのメールやホームページ告知等を確認
証券会社のメールやホームページ内で「取引サーバー変更」の告知がないかを確認。取引サーバーが変更されているのであれば、新しい取引サーバーでログオンを試みる。
EA(自動売買)の動きを確認する
かなり稀なケースではあるが、自動売買の暴走でVPS運営会社(VPSを使っている場合)や証券会社が特定のIPアドレスに対して通信を遮断することがある。ここで言う「暴走」はサーバーに著しく負荷をかける処理を指す。例えば必要証拠金が不足しているのに(又は読み取り専用の口座であるのに)延々と成り行き注文を繰り返すEAや、一度に数百件通知を行うLINE Notify等。「口座とんじゃったなー、そういえば自動売買のスイッチ止めてないや」という場合に起こりやすい。個人的には証拠金チェックを行わないEAは論外だが、世に出回っているEAは「正常系」のテストしか行っていないと思われるものも多々ある。XMはまずユーザーに警告のメールを出して気付かせてくれるが、一部証券会社では告知もなくいきなり通信を遮断してくることもある。取引サーバーに繋がるが、パスワードを変更していないのに、ログオンすると読み取り専用モード(「Investor mode」「Readonly」等)になった場合もEAの状況を確認したほうが良い。
4.口座が閉じられている!?
XM等の一部証券会社では、「残高が0のまま一定期間を経過した口座は自動的にクローズされる」というルールがある。「一度口座を飛ばしちゃってからだいぶ時間が経ったけど、そろそろFXを再開したいな」といった時に起こりやすい。XMであればクローズされた口座番号では会員ページにログインすることもできなくなる。その場合はまた口座申請からやり直す必要がある。
分からない場合は画面を見てもらう
どうしても自身で解決できない場合は、わかる人に画面を見てもらったほうが良い。ただ、なかなかその方のPCを直接見るということも難しいので、TeamViewer等の遠隔操作ソフトをインストールしておくことをお勧めする。わかる人に状況を見てもらって、画面を操作してもらえば案外あっさり解決することが多い(実際「もっと早く相談すれば良かった」という言葉はよくいただく)。遠隔操作ソフトのインストールを躊躇う場合はZoom等で画面を共有するというのも手だ。